ゲームとは非日常の光景が広がり、ゲームの数だけ世界観が存在し、自分が操作することによって映画やテレビよりも一層感情移入や没入感を得ることができるツールではないかと思います。
そんなゲームの世界をより一層引き立ててくれるのが「音楽」です。 映画やドラマなどと同じくゲームでも場面に応じた音楽で緊張感を演出したり高揚感を掻き立ててくれるのです。
ゲームのメディアがみんながカセットと呼んでいたROMタイプのものから光ディスク(CD)に移行した時にそれまでとは比較にならないほどのデータ容量を格納することができるようになりました。
この時に起きた一番大きな変化は「音楽」だったのではないか? と思います。 ROMカセットの時代には限られた容量、音色の中で個性を出すためにメーカーが頑張っており、その当時のBGMに思い入れの多い方も多いと思います。
一方、CD-ROMで発売されたソフトはBGMに限定すると音楽CDと同じ音源が使用できるのでこれまでできなかった表現が可能になりました。 また、「声」の吹き替えもCD-ROMの容量の恩恵により可能となったのです。
この時にできた声優さんがゲーム内のキャラクターに声を充てることやオーケストラなどの荘厳なBGMを収録するといった流れは今でも続いているのです。
実はゲーム音楽はテレビなどでも放送されていることが結構多いのです。 なのでゲームは知らないけれど聞いたことがある! という心当たりがある人もいるのではないでしょうか?
1994年から放送されていたフジテレビ系列「ニュースJAPAN」で長い期間使われていたこの曲はワールドヒーローズ2(ADK / ’93)という対戦格闘ゲームのBGMでした。
2021年に開催された「東京オリンピック」開催式での選手入場のBGMに使われていた曲がすべてゲーム音楽だったことはまだ記憶に新しいのではないでしょうか。?
必聴!! ゲームサウンドトラック
ここからは個人的におすすめしたいゲームサウンドトラック・関連CDを紹介していきたいと思います。
1984年|VIDEO GAME MUSIC|細野晴臣
日本が誇るテクノユニット『Y.M.O.』のメンバー細野晴臣さんが手掛けた日本で初となるゲームのサウンドトラック作品。 収録内容はナムコの「パックマン」「ディグダグ」「マッピー」「ゼビウス」「ギャラガ」など。
ゲームサントラの原点であり原典がここにある。
2012年|風ノ旅ビト|Austin Wintory
目が覚めると一面が砂の世界。 遺跡の壁画に描かれた場所を風に乗って目指していく……。
2012年数々のGOTY (ゲームオブザイヤー) を受賞し、Austin Wintoryが手掛けたサウンドトラックが米音楽界で最も権威のある賞 「グラミー賞」 にノミネートされました
2013年|ファイナルファンタジーⅤ|植松伸夫
1987年に1作目が発売されてから35年が経つ今でもシリーズが続いている「ファイナルファンタジー」シリーズ。 NHKで放送された「全ファイナルファンタジー大投票」の音楽部門第2位にランクインした「ビッグブリッヂの死闘」は一度聞いたら忘れられないインパクトの強い曲です。
2020年|ロマンシング・サガ 3|伊藤賢治
1995年にスーパーファミコンで発売されたRPG (ロールプレイングゲーム)?
独特のシステムを採用し今なお熱狂的なファンが多くいる作品。シリーズを通して音楽が印象的であり、特にバトル中に流れる音楽はテンポが早く演出に高揚感を与えてくれます。
2008年|ペルソナ4|目黒将司
SFC(スーパーファミコン)で1作目が登場したのが1996年。 基本的には「学園」モノとして続編がリリースされるのですが、3作目「ペルソナ3」から画風がかなりポップな感じになり音楽もボーカル曲が数多く取り入れられそれまでの路線から大きく方向転換しました。
ペルソナシリーズは1、3、4、5とプレイしてきましたが、ストーリーやキャラクター、音楽含めて「4」が一番好きかもしれません。 音楽がとにかくオシャレ。
2021年|パラダイスキラー|Barry Topping
島で起きた殺人事件を解決するために呼び出された捜査オタクのレディ・ラブ・ダイ。 オープンワールドの島内を証拠と証言を集めるため奔走し、裁判で真相を突き止めるアドベンチャーゲーム。
80年代の日本のアニメ・シティポップにインスパイアされたBGMを集めたサウンドトラック。 松原みきの「真夜中のドア」をはじめとする日本のシティポップの曲が世界で評価されているなかタイミングが絶妙だなと感じたサントラ。
2006年|大神|カプコン
2006年にプレイステーション2で発売されたアクションアドベンチャーゲーム。 狼のアマテラス(天照大神)と豆粒のように小さな絵師イッスンが、復活したヤマタノオロチを討伐するために旅に出る……
水墨画のような画風と「和」を全面に押し出したBGMが印象的な作品。
2017年|NieR:Automata|岡部啓一 他
2010年にプレイステーション3/Xbox 360で発売された『ニーア レプリカント/ゲシュタルト』の続編。キャッチコピーは
「これは呪いか。それとも罰か。」
本編クリア後に周回プレイを始めると操作キャラクターが変わったり、新たなストーリールートが解放され、周回を重ねる毎に真実が明らかになるアクションアドベンチャーゲーム。
音楽が時には壮大で時に儚い。ゲームのフィールドやキャラクターの心情、そして演出に音楽が融合してすばらしい世界観が構築されている。
2021年の東京オリンピックではこのゲームの音楽が採用されました。
2017年|GRAVITY DAZE 2|田中公平
2012年に携帯ゲーム機プレイステーションVITAにて発売された「GRAVITY DAZE」の続編。 正式名称は『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』
重力を自在に操ることができるキトゥンと相棒の猫ダスティが巨大な重力嵐に巻き込まれ、別世界の街ジルガ・パラ・ラオにたどり着く……。
音楽を手掛けているのは田中公平さん。 個人的にはこの方の作品がとても好き。古くは「レナス」(スーパーファミコン / ’92)からエンドオブエタニティ(プレイステーション3 / 2010年)、そしてこのGRAVITY DAZE 2まで「この曲いいなー」と思ってクレジットを見ると田中さんだということが結構多い。
2005年|ワンダと巨像|大谷幸
失われた少女の魂を取り戻すため、謎の巨像たちに立ち向かうワンダ。キャッチコピーは
「最後の一撃は、せつない」。
BGMが流れるのは巨像に立ち向かう時やムービーの場面のみ。 巨像に立ち向かう時に流れるオーケストラを使った壮大な音楽が儚くも美しい世界を表現しています。
今回紹介しきれなかった素晴らしいゲームサントラがまだまだたくさんあるのですがいずれ機会があればまた記事を書いてみたいと思います。